智恵にはモノよりも価値がある

 

「発掘!なんでも鑑定団」(テレビ東京)という番組があります。
 
 
芸能人や一般人のお宅に眠る「お宝」を鑑定し、ホンモノかニセモノか、
どれくらいの価値があるのかを金額一発で決めてしまうというもの。
 
時に数千万円という値段がつくことがあれば、代々伝わる家宝が5000円くらいだったりと悲喜こもごも。
 
 
この番組によって「古いモノや希少価値のあるモノは売れる」というモノの値段に関する考え方が
広まったと思います。
 
 
それまで古美術やブリキのおもちゃというと、難しいとか一部のマニア向けというイメージがあり、
一般人には理解しづらいものでした。
 
しかしこの番組では、一般人には理解しづらいモノの価値を「お金」という、万人が理解できる価値観に
変えることで、視聴者の興味を引きつけることに成功しました。
 
巷では「レアモノ」といった言葉や、美術品に関する書籍が溢れ、日本人のモノに対する考えを
変えたと言えるでしょう。
 
 
 
 
何百万円・何千万円という鑑定結果に喜ぶ依頼人を見てうらやましいと思う反面、
いつも思うことがあります。
 
 
「この人たちはこのお宝をどうしているのだろう?
すぐ売っているのか?それとももっと値段が上がるまで待っているのか?」
 
 
 
すぐ売るとすれば、一時的に大きな富を得ることができるでしょう。
 
でもたかが数百万円。
 
せいぜいその人の年収くらい、高くても数年で使い切ってしまうでしょう。
 
 
 
もし値段が上がるまで待っていたとしても、そんなに変わらないはず。
 
300年前の作品で今100万円のものが、来年には200万円になるなんてことはありません。
 
何か突発的なブームでも起これば別ですが、10年たってもほとんど価値は変わらないでしょう。
 
また活躍中の野球選手ゆかりの品のように、今じゃないと価値のないものは持っているだけ無駄です。
(昔、ドジャースの野茂選手のスニーカーか何かに数十万円の値段がついてましたが・・・)
 
 
 
確かに今まで埃をかぶっていたものにいきなり何百万という値段がつけば、狂喜乱舞するでしょう。
 
しかし冷静に考えると、その幸運は長く続かないと思います。
 
 
 
なぜか?
 
 
 
それは、モノは一度売ってしまうとそれで終わりだからです。
 
手元にお金が入ってくる反面、次に売るものはない。
 
だから、数年もたてば元の生活に戻ってしまう。
 
 
もしくは一時的な収入で「自分には商売の才能がある!」と勘違いし、経験もない事業に
手を出した挙句失敗し、膨大な借金が残ってしまう。
 
 
僕が思うに、おそらくあの番組に出て高い鑑定結果をもらった人の多くは、一時的に生活水準は
上がるものの、数年で元に戻るか、前よりもひどい生活になってしまうと思うのです。
 
 
そこで考えてみました。
 
 
人が豊かになるのに必要なのはモノではなく、智恵なのではないか?
 
 
生活水準を少しでも変えると、意外と多くのお金がかかります。
 
今までお昼ご飯を1回500円にしていたものを1000円にするだけで、1ヶ月の支出増加は
1万円以上になります(土日除く)
 
月収を1万円増やそうと思ったら、大変な努力が必要です。
 
マンションを買ったり、子供ができたりしたらさらに大変。
数百万円なんて金額はあっという間になくなってしまいます。
 
 
つまり、生活水準を変えるには、沢山のお金を一時的に得るよりも、少しずつでも定期的な
収入の増加が必要。
 
その為には、日々の行動自体を変えることが大切。
適切な方向に行動を変えるためには、何が正しいかを見抜く智恵が必要です。
 
 
智恵があれば、行動が変わる。
行動が変われば、周りの人の反応が変わる。
周りの人の反応が変われば、収入も変わってきます。
もちろん、いい方向に変われば、収入は増える。
 
 
智恵はモノと違い、使っても減ることはありません。
 
むしろ、使うことで周りの反応を見て、さらに確信を強めたり現実に合うものに変えることもできる。
 
うまく智恵を使えば、長い目で見て何千万円、何億円もの収入を与えてくれます。
 
 
だから智恵には、目には見えない価値がある。
 
 
 
 
先祖代々お金持ちという人たちの生活を見てみて下さい。
 
確かに高いものを持っているかもしれませんが、意外と質素な人が多いと思います。
 
彼らにとって大切なのは、モノではなく資産を運用する智恵だからです。
 
 
 
一時的な欲望に駆られて車を買っても、数年たてば価値はタダ同然。
 
購入に使う金額はそのまま無駄になってしまいます。
 
でも、今あるお金を元に投資をし、さらにそのお金で投資をすれば数年後には元手以上の価値になる。
 
1000万円の元手で1000万円の車を買えば、お金は無くなる。
1000万円の元手を2000万円に増やし、1000万円の車を買えば、手元には1000万円のお金が残る。
 
 
もし宝くじで1億円が当たったとしても、それは自分の力ではありません。
 
たまたま手元に入ってきただけのもの。
それを元手に何か始めても、必ず失敗します。
 
なぜなら、自分にはそのお金を運用する智恵がないから。
 
無駄にお金を遣い、言い寄ってくる友人や資金運用会社にお金を貸し、なくなってしまうのがオチです。
 
 
 
智恵を学ぶのに遅すぎることはありません。
 
自分の仕事について、投資について、etc...
 
智恵を得るために、普段から勉強することが大切です。

 

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