中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日
―一極主義 vs 多極主義
北野幸伯 草思社 2007年出版
この本のポイント
�� 世界情勢が手に取るように理解できるようになります。
�� 世界の政治経済のニュースが面白くなります。
�� 今後の世界経済の流れが予測できるようになります。
�� 世界を理解することは、あなたの生活を理解することです。
�ァ．織ぅ肇襪浪畄磴任垢�、反米主義の本ではありません（笑）
皆さん、新聞は読んでいますか？
政治、経済、文化、事件・・・毎日いろんな情報がのっていますね。
日々多くのニュースがリリースされてるけど、いったい何がどうなっているんだか、これから
どうなっていくのかさっぱりわからない！
こう思ったことはありませんか？
特に世界のニュースに関しては、毎回、普段耳にしない政治家や企業の名前ばかり出てきて、
頭がこんがらがってくるのでは？
現在、世界には国連加盟国だけで192カ国。
日本の現状だっていまいちわからないのに、世界のことなんか把握できない！
そんなあなたに是非読んでいただきたいのがこの本です。
この本は、国際政治経済に関する理解を深める上で、とても役に立つ視点を教えてくれます。
著者の北野氏は日本人ですが、大学はロシアではエリート校として名高いロシア外務省付属
モスクワ国際関係大学を卒業。
その後、ロシア連邦内にあるカルムイキヤ自治共和国の大統領顧問にまでなった方。
これまで出版されてきた数ある国際政治経済関係の本と違うところは、その視点。
毎日毎日似た様なニュースが流れているかと思えば、昨日と今日で180度違うニュースが
流れていたりと、世の中はわけのわからない情報だらけ。
「誰か何とかしてくれ！」と叫びたくなります。
多くの人が国際政治経済に接するときにまず思うのは、情報が多すぎて何が何だか
わからなくなるということ。
しかし北野氏の視点はいたってシンプルです。
物事の全体を把握するには、全ての情報を網羅する必要はない。
いくつかのキーポイントさえ押さえていれば世の中の流れを理解することは可能。
そこで北野氏は独自の視点で、キーポイントをわかりやすく説明してくれます。
彼の視点はズバリ、世界の政治指導者たちの視点。
カルムイキヤ自治共和国の大統領顧問をしていたこともあって、ロシアなど世界の
政治関係者と親交が深い。
そういうところから得た情報も生かし、「実際に政治を動かしている人たちはどこを見て、
どう考えているのか？」という視点から世界情勢を説明してくれます。
「でも、地球の人口は63億人もいるんでしょ？たった数十人の政治指導者の視点なんか
見たって、世界がわかるわけないじゃない」
では、あなたの身の回りを見てみてください。
会社、会社の部署、自治体、政党、国、サークル・・・・
いろんな組織であふれています。
そして誰しも、何らかの形で組織に属しているはず。
こういう経験ってありませんか？
「うちの部署、新しい部長になってからノルマがきつくてやってられないよ！」
「今度の首相、規制をどんどん緩和してるから、外資がどんどん入ってきて、景気がよくなってきたな」
「うちのバレーボールサークル、今のコーチになってから雰囲気が悪くなって成績も
サッパリなのよ。一人ひとりの特徴が何もわかってないんだから」
どうです？
トップの人間が変わるだけで、意外と組織全体が影響を受けることって多いでしょ？
組織の中の人たちは、組織のルールの中で考え、行動します。
ルールが変わると、当然考え方や行動を変える必要がある。
そしてトップの人間には、組織のルールを作ったり、変えたりする力がある。
つまりトップの人間には、いい意味でも悪い意味でも、組織を変える力がある。
組織の性格は、トップの人間で９５％決まるといいます。
つまり世界情勢を見るときは、国のトップの人たちの視点で見れば、大体の流れがつかめるのです。
大切なのは、今の主要大国の政策は誰が、どういう利益を目的として行っているのかということ。
今の日本は、世界と密接につながっています。
日本の食糧の６０％以上は海外からの輸入。
東証の株式売買額の６０％以上は外国人投資家のお金。
日本は石油や天然ガスなど、エネルギーのほとんどを輸入に頼っている。
トヨタやソニーなど、日本を代表する企業は海外での売上を増やしている。
家庭の食卓に並ぶ料理だって、海外との貿易の産物。
世界の政治経済を理解するということは、あなたの生活を理解するということ。
この本は、世界の政治経済を理解する上でとても重要な視点を与えてくれます。
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風雲舎 2005年出版